発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010036368
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1歳9ヵ月男児。右足底部に弾性硬の軟部腫瘍があり、MRIでは矢状断でT1強調画像で筋肉と等信号、一部低信号、T2強調画像で等信号と高信号が混在する下層が脂肪組織に囲まれた腫瘍を認めた。横断面ではT1強調画像で筋肉と等信号、T2強調画像で周囲が高信号、内部が等信号と高信号が混在する3.0×3.0×2.5cmの腫瘍を認めた。局所麻酔下に針生検術を施行し、病理標本所見にて腫瘍はコラーゲン線維に富み紡錘型腫瘍が散在しており、腫瘍細胞に異型性はなく、足底線維腫症と診断された。3ヵ月間の経過観察を行っていたところ、腫瘍サイズに変化はないが、歩行の際に腫瘍により転倒する頻度が増えてきたため手術的治療を行うこととした。腫瘍に周囲の脂肪組織をつけて可及的に広範切除を施行し、術中に腫瘍被膜が露出した部位があり、切除縁は辺縁切除となった。手術切除標本の病理組織も同様の組織像であった。術後1年9ヵ月経過現在、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009