発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010036369
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43歳女。全身に無数の皮下腫瘤があり、PET-CTでも全身に無数の腫瘤を認め、大部分は皮下組織に存在していたが、一部は筋膜以下の深部にも存在していた。腋窩部の腫瘤はMRIのT1強調画像で筋肉と等信号強度を示し、T2強調画像では等一高信号強度を示し、ガドリニウムでモザイク状に造影された。診断確定のため腋窩部・腹部より生検術を施行し、病理学的所見で腫瘍の割面は灰白色~淡黄色、充実性で、HE染色で細胞は球状から多角形の核の偏在を認め、好酸性の細胞質内封入体を含み、一部はシート状に配列しており横紋筋様細胞と考えられた。免疫染色ではビメンチン、S-100強陽性、メラニンAがわずかに陽性、HMB-45、サイトケラチン、CD34、デスミンが陰性であった。後日、BAF47免疫染色を追加施行したところ陽性であり、最終的に悪性黒色腫と診断した。原発巣検索を行ったが、特定は困難であった。全身化学療法を1クール行ったが、効果はprogressive diseaseであった。左腋窩部に疼痛を生じてきたため放射線照射を実施したが、その後、脳転移による意識障害が出現したため治療を中断し、生検術後2ヵ月で病状進行して死亡した。
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