発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009138579
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症例はCreutzfeldt-Jakob病(CJD)と診断された77歳女性で、A病院入院中に転倒し右大腿骨頸部を骨折した。2病院にて外科的治療を拒否され、整形外科医の関与のない状態で経過観察のため、ADLが低下し寝たきり状態となった。受傷3週目に当院に入院となった。セメント固定による人工骨頭置換術を行った。術後、歩行器歩行可能となり食事も自立し、術後20日目に転院した。術後1年2ヵ月時は車椅子移動であるが、ときどき自宅に外泊している。なお、手術終了後、手術使用器具は廃棄した。業者より借りた器械は次亜塩素酸ナトリウムに浸し、132度オートクレーブ(1時間)による高圧蒸気滅菌した後に返却し、業者が廃棄した。CJD患者が手術拒否を避けるためには、多大な負担となる手術器具の廃棄処理に関する公的システム及び診療報酬への配慮が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009