発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009037676
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著者らのセンターで2004年10月~2006年7月に施行した最小侵襲人工股関節全置換術(MIS-THA)患者452例の入院コストを検討し、早期退院プログラムによる医療経済効果と問題点について考察した。その結果、全例が自宅退院し、平均入院期間は13.2日、平均コストは約170万円であり、Mitsuyasuらの報告と比較すると、1人あたり約70万円のコスト削減効果が確認された。これをすべてにあてはめることは不可能であるが、年間30000件のTHAを考慮すると日本全体でTHAのみで約210億円のコスト削減効果を期待できる。つまり、MIS-THAによる自宅への早期退院は、医療費削減のための重要なツールと考えられた。現状の保険制度では、早期退院は一般総合病院にとって経営的なメリットが少ないことが問題と考えられ、これらを打破するためには、専門的な施設の充実や病院へもメリットのある医療保険制度の改革が望ましいと思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008