発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261018
- 有料閲覧
- 文献概要
82歳男性。救急外来から帰宅後当日の夜死亡した遅発性鎖骨下動脈損傷の1例を経験した。自転車で走行中に後方から車にはねられ、当院へ救急搬送された。左肩の最外転時に疼痛の増強を認めた。肩甲骨2方向と頸椎2方向のX線で頸椎に後縦靱帯骨化症(OPLL)、鎖骨遠位部に整復内固定による骨癒合像、第1~4肋骨骨折を認めた。第1、第4肋骨は断端の接触が残る程度の転位と思われ、第2、第3肋骨は断端の接触がなく大きく転位していた。三角巾で安静を指示し、ジクロフェナクナトリウムを処方して帰宅させた。約6時間後、患者が死亡し、他院にて行政解剖となった旨の連絡を受け、即座に帰院して管理当直者に診療の経過を報告した。その後、患者の死因が遅発性鎖骨下動脈損傷との報告を受けた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007