発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125716
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閉塞性動脈硬化症(ASO)、糖尿病(DM)による血行障害性下肢壊死が原因で下肢切断術を施行した25例を対象に、切断高位の判断、機能予後、生命予後について検討した。血管評価を行ったASO例8例をI群、血管評価を行わなかったASO例4例を2群、同じくDM例13例を3群と分類し、調査を行った。I群では、遠位で切断した4例のうち血管形成術を行った2例の転帰は良好で、行わなかった2例は不良であった。II群、III群では血管評価は行わず、壊死部位の局所所見のみで切断高位を判断した。その結果、II群では4例中2例が各々大腿、下腿での再切断を要し、III群では13例中1例が下腿での再切断を要した。機能予後については、足趾切断、足部切断では全例が術前、退院時共に独歩可能で、下腿切断では89%が歩行能力を維持することができた。なお、大腿切断では退院時に歩行可能例はなかった。生命予後については、全例の1年、2年、5年生存率は各々82.9%、64.5%、48.4%で、ASO例では1年68.6%、2年34.3%、5年以上追跡可能例はなく、DM例では1年92.9%、92.9%、69.6%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011