発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007184487
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
17歳女、左大腿骨遠位骨幹端部骨肉腫を主訴とした。メトトレキサート(MTX)大量療法を開始し、全4コースの血中濃度において排泄遅延は認めなかった。4コース目施行後7日目、左上下肢の脱力症状が出現し、約4時間で消失した。その2日後、突然右上下肢の麻痺と構語障害が出現し、脳MRIにて左半卵円中心に拡散強調画像で淡い高信号、T1強調画像で淡い低信号を呈する病変を認めた。T2強調像では同病変は判然としなかった。白質脳症・脳梗塞超急性期を疑い、対症的にマンニトールを点滴静注した。症状は約7時間で消失し、11日後のMRIでは病変は消失していた。MTX大量療法後の一過性脳症と診断した。その後さらにMTX投与を行ったが、症状再発はなかった。術前化学療法を終了し手術を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2007