発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095259
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22歳女。走っているときに足をひねり受傷し、左第5中足骨基部剥離骨折(下駄骨折)の診断でギプス固定となった。1ヵ月後にギプスを除去されたが、左足背部外側の疼痛およびしびれが出現した。単純X線所見にて足根骨の骨萎縮を、第5中足骨基部に骨折線を認めた。左足第5中足骨基部剥離骨折の遷延治癒および骨折部における腓腹神経障害と診断し、骨接合術および神経剥離を目的に手術を施行した。第5中足骨基部の背外側に腓腹神経を認め、腓腹神経は骨折部周囲の軟部組織と癒着し、転移した近位骨片により外側に圧排されていた。神経剥離後、骨折部を新鮮化して整復し、引き寄せ鋼線締結法にて内固定を行なった。術直後よりしびれ、知覚鈍麻は改善し、術後8週で全荷重にて歩行可能となった。骨折部に軽度疼痛が残存するが、しびれおよび知覚鈍麻は消失し、術後約10ヵ月の単純X線像で骨折部の骨癒合を認め、抜釘術を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006