症例
脊髄空洞症に合併したシャルコー肩関節症に対し人工骨頭置換術が有用であった1例
岡本 春平
1
,
坂越 大悟
,
小川 康弘
,
石井 孝佳
,
辻 大祐
,
鳥畠 康充
1富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院 整形外科
キーワード:
肩関節
,
関節障害-神経性
,
再手術
,
MRI
,
脊髄空洞症
,
X線CT
,
人工器官機能不全
,
空洞クモ膜下腔シャント
,
人工肩関節
,
肩関節全置換術
Keyword:
Shoulder Prosthesis
,
Arthroplasty, Replacement, Shoulder
,
Arthropathy, Neurogenic
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Reoperation
,
Prosthesis Failure
,
Syringomyelia
,
Shoulder Joint
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1777-1780
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017065312
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
55歳女。左肩の挙上困難と腫脹を主訴とした。X線像で上腕骨頭は正常であり、MRIでは腱板断裂と増殖した滑膜炎所見を認めた。1ヵ月後の再診時にはX線およびCTにて上腕骨頭の著明な破壊像を認めた。また左上肢の解離性感覚障害と発汗障害を認め、頸椎MRIにて脊髄空洞症の所見を認めたため、脊髄空洞症に合併したシャルコー肩関節症と診断した。脳外科でシャント術を行い、初診から4ヵ月後に人工骨頭置換術および金属アンカーを3本使用して腱板縫合を行ったが、術後早期に大結節の骨破壊とアンカーの脱転を認めたため、アンカーの抜去および残存する大結節にMcLaughlin法で腱板縫合を行った。術後は外転装具を装着し、肩に負担がかかる運動は禁止した。再手術後1年5ヵ月で脱臼や感染・肩甲骨の破壊は認めず、可動域は改善し、脊髄空洞は縮小して左肩周囲の痛覚脱失もわずかに改善している。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.