発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076379
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21歳男性。患者は左大腿部に疼痛とこわばり感の出現で受診となった。所見では左大腿外側に8×7cmの弾性硬の腫瘤を認め、更に弛張熱、咽頭痛、および右頸部に1cm大のリンパ節が触れられた。一方、MRIでは左大腿外側広筋内にT1で低信号、T2で高信号の境界不明瞭な軟部腫瘍を認め、胸部X線・CTでは両肺野に小結節影多数が確認された。また、ガリウムスキャンでは大腿部、傍大動脈、鼠径部、腹部、縦隔内に多数の結節性病変を認め、腹部CTでも傍大動脈リンパ節の腫脹を多数認めた。以上より、左大腿悪性腫瘍の多発性転移の疑いで切開生検を行ったところ、病理所見では大型で核異型が強い腫瘍細胞が敷石状に配列し、CD30強陽性、CD3・LCA陽性、CD20・CD79a陰性であった。Ki-1抗原陽性(未分化大細胞型)リンパ腫と診断し、静注化学療法を行った結果、各リンパ節病変は消失し、MVP療法で肺野の結節も消失した。以上、治療終了から5年6ヵ月経過現在、再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006