発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003025904
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2歳1ヵ月男児.主訴は項部痛である.初診時左上肢自動運動は不能で,X線像では軸椎歯突起は基部で骨折し,環椎と共に大きく前方に転位していた.ただちに頸椎を過伸展位とする徒手整復を行い,比較的良好な解剖学的整復位を得た.整復位を保つため,halo-ringによる頭蓋直達牽引,halo-vest装着を行った.Halo-vest除去後の動態撮影で,骨折部の安定性と骨癒合の完成を確認した.受傷1ヵ月目には肘関節の伸展,前腕の回内,及び手関節以下の自動運動は可能となった.しかし肩関節と肘屈曲の自動運動不能は残存した.7ヵ月目のMRIにて左C3~C5神経根引き抜き損傷と診断し,11ヵ月目に神経移行術を施行した.術後7ヵ月に肩関節の亜脱臼位は正常に復し,肘屈曲可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2002