発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302221
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
全身麻酔下にて脊椎手術を受けた1102例を対象に,診療録の記載内容及び各担当医からの申告をもとに,術中及び術後合併症の調査を行った.術中合併症として,椎弓根スクリューの誤刺入は8例,硬膜損傷は6例,脊髄損傷は2例,椎骨動脈損傷は1例あり,その他として,ドレーンを創内で縫いつけてしまったために再手術を要した症例が3例,手術高位を間違えたことに術後気付きすぐに再手術を行ったのが1例あった.術後局所合併症として,外側大腿皮神経障害は24例,C5麻痺は13例に認められた.前方固定術後,移植骨やインプラントに関連した合併症が11例,硬膜外血腫は7例,深部感染は5例に認められ,その他として,再手術には至らなかったものの,採骨部を含む創の治癒が遷延したり,創の再縫合を要した症例が16例あった.採骨によってできた腸骨欠損部に補填した腸骨スペーサーが脱転したために入れかえ,又は除去を要したのが3例あった.術後全身合併症として,術後せん妄は47例,消化器系の合併症は27例,循環器系の合併症は19例,呼吸器系の合併症は14例に認められた.その他として,痛風発作3例,急性前立腺炎1例,透析中にアナフィラキシーショックを起こし死亡した例が1例あった
©Nankodo Co., Ltd., 2006