発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225124
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
34歳女.電車衝突事故により受傷し,多臓器損傷に対する救命処置を優先して,不安定性を有した左膝関節には保存的治療を行った.全身状態が回復し退院したが,日常生活動作において著しい左膝不安定感が持続し再入院となった.左大腿四頭筋萎縮を認め,左膝可動域は過伸展10°,屈曲150°であった.X線像で大腿骨外側顆外方に外側側副靱帯(LCL)付着部より発生したと思われる剥離骨片を認め,伸展位内反ストレス下で外側関節裂隙の著明な開大を認めた.前十字靱帯(ACL),後十字靱帯(PCL),後外側支持機構複合損傷(LCL裂離骨折を含む)と診断し,手術を行った.関節鏡視でACL,PCLは完全に断裂し,膝窩筋は腱性部で弛緩,筋腱移行部で瘢痕化していた.Leeds-Keio人工靱帯でACL,PCLを再建した後,LCLの大腿骨付着部裂離骨片を元の位置に整復したところ,十分な緊張性が得られ,螺子固定を行った.術後不安定性は消失し,4年経過して歩行や階段昇降時の不安感はなく,可動域制限もない
©Nankodo Co., Ltd., 2006