Japanese
English
臨床経験
膝蓋骨に発生した痛風結節の1症例
Gouty Tophus of the Patella : A Case Report
斉藤 修
1
,
森 雄二郎
1
,
藤下 彰彦
1
,
品田 充美
1
Osamu Saito
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Showa University Fujigaoka Hospital
キーワード:
tophus
,
痛風結節
,
patella
,
膝蓋骨
,
electron microscope
,
電子顕微鏡
Keyword:
tophus
,
痛風結節
,
patella
,
膝蓋骨
,
electron microscope
,
電子顕微鏡
pp.1025-1027
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902782
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抄録:膝蓋骨に骨変化をきたした痛風結節は,われわれが渉猟した限りでは国内報告16例と比較的稀である.われわれは,膝蓋骨に嚢胞状陰影を認め,初診時に骨腫瘍を思わせた痛風結節の1例を経験したので報告する.症例は右膝関節痛を主訴とする36歳の男性である.1996(平成8)年1月より右膝痛が出現.1998(平成10)年5月近医を受診し,単純X線で膝蓋骨に異常陰影を指摘され,腫瘍性疾患の疑いで同年6月紹介来院された.初診時の画像からは膝蓋骨内側に嚢胞状陰影を認め骨腫瘍が疑われたが,背景に高尿酸血症が存在することから痛風結節も考えられ,関節鏡による観察と病変部の生検を行った.膝蓋骨背面に小皮切を加え膝蓋骨に到達すると,白色塊が認められた.膝蓋骨より採取した病理組織では,尿酸塩結晶が認められ,典型的な痛風結節の所見であった.走査電顕および分析電顕での検討では,結晶の形態はより明確になり,また結晶が主にNaで構成されていることが明らかになった.
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