発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197917
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上腕骨近位端骨折に対する髄内釘の近位スクリューホールの設置位置を検討するため,死体上腕骨骨格標本24体48肩を用いて髄内釘刺入点と小結節・大結節がなす結節間溝の角度を測定した.測定方法は,肘関節掌側面を下にして台上に乗せ,上腕骨頭側よりデジタルカメラで撮影し,パソコン画面上で小結節前方境界点と大結節後方境界点とを結ぶ線(x)の垂直二等分線を骨頭軸(y)とし,x,y線両者の交点を中心点(o)とした.o点とy軸上の大結節境界点との中点をネイル刺入点(Ip)とし,Ip点からの大結節頂点と小結節頂点の角度を測定した.その結果,結節間溝角は右平均48.50°,左47.29°で,平均47.90°±1SD(5.51°)であった.上腕骨近位端粉砕骨折に対し髄内釘を用いて多方向より近位ロッキングスクリュー固定を行うに際し,結節間溝を避けつつ前後スクリューと内外側スクリューを刺入するには,両者のなす角が50°以上であることが望ましいと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2006