特集 鑑別に苦慮した皮膚病(1)
臨床例
隆起性皮膚線維肉腫との鑑別を要したdiffuse neurofibroma
近藤 佐知子
1
,
朝比奈 昭彦
,
牧 智子
,
伊東 慶悟
,
中川 秀己
1東京慈恵会医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
S100 Proteins
,
神経線維腫
,
鑑別診断
,
頭頸部腫瘍
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
CD34抗原
,
皮膚線維肉腫
,
STIR法(MRI)
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Head and Neck Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
S100 Proteins
,
Neurofibroma
,
Skin Neoplasms
,
Antigens, CD34
,
Dermatofibrosarcoma
pp.375-378
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016224749
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<症例のポイント>神経線維腫症1型(neurofibromatosis 1、以下、NF1)を伴わない男性に出現し、病理組織学的に隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans、以下、DFSP)との鑑別を要したdiffuse neurofibroma(以下、DN)の1例を経験した。臨床所見が神経線維腫としては非典型的であり診断に苦慮したが、免疫組織学的所見も併せてDNと診断した。本邦でDNの報告例は少なく、diffuse plexiform neurofibroma(以下、DPNF)と混同して分類されている場合がある。自験例は神経線維腫症1型を伴う臨床症状を認めずDNの孤発例として矛盾しないが、NF1との関連についてはさらなる情報の集積が必要である。
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