発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103825
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15歳男。部活動のテニスの練習中に左股関節痛が出現し、2週間経過後も持続した。X線で異常は認めず、MRIのT1・T2強調像で左大腿骨頸部に低信号域の骨折線所見を認め、STIR像ではその周囲に高信号域の髄内浮腫性変化を認めた。疲労骨折と診断し、スポーツの休止を指示して経過観察を行ったところ、発症後3週のX線で左大腿骨頸部下部の骨皮質に骨硬化像を認め、12週で骨癒合を認めた。MRIでも骨折線像の消失を認めたためスポーツ活動を許可したが、1ヵ月後の練習中に右股関節痛が出現し、X線で異常は認めないものの疲労骨折と考え、再びスポーツ休止を指示した。2ヵ月後のX線で右大腿骨頸部下部の骨皮質にわずかな隆起を、MRIでは高信号域の髄内浮腫性変化を認め、疲労骨折であったことが裏付けられた。この時点でスポーツ活動を再開し、左側発症後7ヵ月で部活動には完全に復帰しており、画像上も骨癒合を認め、変形治癒や骨頭壊死などは認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011