骨・軟部腫瘍 先端的研究と臨床の現況
治療 手術的治療 骨・人工関節コンポジット移植の治療成績
林 克洋
1
,
土屋 弘行
1金沢大学 機能再建学
キーワード:
脛骨
,
骨移植
,
骨腫瘍
,
骨肉腫
,
上腕骨
,
大腿骨腫瘍
,
軟骨肉腫
,
治療成績
,
人工関節
,
関節置換術
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Chondrosarcoma
,
Femoral Neoplasms
,
Humerus
,
Joint Prosthesis
,
Osteosarcoma
,
Tibia
,
Bone Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement
pp.831-835
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010312346
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関節近傍の骨腫瘍で関節を切除し、骨と人工関節のコンポジット移植による再建術を行った41例の治療成績を検討した。原疾患は骨肉腫20例、軟骨肉腫7例、転移性骨腫瘍6例、その他7例であった。部位は大腿骨近位部12例、大腿骨遠位部11例、脛骨近位部6例、上腕骨近位部6例、臼蓋部3例、橈骨近位部1例、全大腿骨の処理骨と近位遠位関節の両置換2例であった。再建で使用した移植骨はオートクレープ処理自家骨9例、オートクレープ処理同種骨7例、液体窒素処理自家骨25例であった。コンポジット移植は、腫瘍用人工関節に比べ軟部組織の縫着が可能な点や骨温存の点において有利と考えられた。骨と人工関節のコンポジット移植による再建も、最長20年4ヵ月の生存など良好な結果が得られ、骨腫瘍切除後の再建方法として有用であることが示唆された。液体窒素処理骨の使用は、骨再生能の高さや、骨切りが不要となるなどの利点があった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010