発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004155468
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41歳女.1年8ヵ月前,右大腿骨骨幹部骨折の治療で直径10mm,長さ340mmのチタン製髄内釘を挿入し,今回抜釘術を行った.釘が約10mm抜けたところで強い抵抗を認めた.透視下でみると髄内釘は遠位横止めスクリュー孔が骨癒合部の位置にあり,それ以上抜釘することはできず,また再挿入することも不可能であった.5名の術者が交代で回旋力を加えながら抜釘を試みたが不可能であった.至急製造元に連絡をとり,その情報をもとに3.0mmのKirschner鋼線を用いて,髄内釘後方に存在するスリット部分を狙って掘削したところ,抜去に対する抵抗力が減弱し抜釘することができた.手術時間は3時間25分を要した.抜去された釘は約90°の回旋変形をきたしており,スリット内は新生骨で満ちていた
©Nankodo Co., Ltd., 2004