発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005190835
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19歳男.歩行困難,膀胱直腸障害を生じた.日整会腰痛治療判定基準(JOAスコア)は2点であった.MRIではTh8~Th10にT1強調画像で等輝度,T2強調画像でやや高輝度の病変が硬膜外背側に長軸方向に広がり,椎間孔に浸潤していた.病変は上位胸椎とL4にも存在した.椎弓切除・腫瘍切除術を行い,病理組織学的および免疫組織化学的検索の結果,Burkittリンパ腫が強く疑われた.しかし,未固定標本を採取しなかったために染色体検査や遺伝子検査を実施できず,確定診断に至らなかった.そのため,病期はAnn Arbor分類stage IVと判断し,ALL-97プロトコールのmature B ALLに準じた治療を選択した.術後7ヵ月現在,神経学的異常なく歩行可能で,JOAスコアは10点である.硬膜外悪性リンパ腫は画像所見から予測可能であるが,組織型の判定や病期を確定して治療法を決定するためにも,術中未固定標本を採取することの必要性が示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2005