発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004301340
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65歳女.主訴は左肩関節痛,挙上障害.バイク運転中に転倒し受傷した.単純X線前後像では,上腕骨頭中央に骨片を認め,骨片の外側部の骨頭は骨透亮像を呈していた.腋窩撮影像では小結節部の骨欠損と回旋転位した骨片を認めた.単純CTでは小結節部の骨欠損と骨片の前内方への転位があり,結節間溝の内壁は欠損していた.3-DCTでは,小結節及び結節間溝内壁の骨欠損と小結節骨片が明瞭に確認できた.MRI T2強調冠状断像では腱板断裂を認めた.以上より,腱板断裂を伴った上腕骨小結節単独骨折と診断し手術を行った.小結節部の骨折は結節間溝の内壁を含んでおり,大小二つの骨片に分かれていた.海綿骨スクリューとワッシャーで骨片を固定した.上腕に頭筋長頭腱は骨折部で部分断裂を来たしていたため結節間溝部に固定し,腱板断裂はMcLaughling法で修復した.術後はストッキネットVelpeau固定を2週間行い,その後,可動域訓練を開始した.調査時,挙上140°,外旋45°,内旋Th12で,JOAスコアは97.5点である
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