発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002245014
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14歳男児.自転車走行中,自動車と接触しそうになり転倒し,受診した.MRIでは鎖骨近位骨端が胸鎖関節部に残存し,鎖骨近位骨端離開後方転位と判明した.受傷当日に無麻酔下での徒手整復を行ったが整復しかったため,三角巾での外固定のみにとどめて胸部異常陰影の精査を行った.結核等の感染性病変を疑い治療を行ったが,最終的な診断は以前より存在していた,もしくは今回の外傷により発生した肺嚢胞性病変への外傷性出血及び肺挫傷の合併であった.胸部状態が十分に落ち着くのを待って手術を施行した.術後は三角巾固定で外転90°の範囲で可動域訓練を行った.Kirschner鋼線は術後6週で抜去し,その後更に可動域訓練をすすめた.現在,肩関節の可動域制限もなくスポーツに復帰した
©Nankodo Co., Ltd., 2002