発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005067166
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骨盤後傾患者に対する手術位である臥位においてカップを設置する際に,臥位と骨盤が後傾した立位の両体位においてともに必要な股関節可動域を満たすことのできるカップ設置範囲について検討した.その結果,前後傾中間位の臥位骨盤位置でのカップセーフゾーンは120度のoscillation angleではやや小さく,手術時骨盤位置を正確に固定してカップ設置を正確に行う必要があった.135度のoscillation angleでは臥位骨盤位置でのカップセーフゾーンがさらに大きくなった.臥位と立位で骨盤の前後傾に変化がない場合にはこのカップセーフゾーンが臥位と立位の両体位での至適カップ設置範囲となる.臥位から立位にて骨盤後傾が10度以上起こる例では135度以上のoscillation angleをもつ人工関節を使用し至適カップ設置範囲の設置可能な大きさを得ることが必要最低条件となる.しかし,現在使用可能なoscillation angleが135度以上の人工股関節は非常に少なく,この条件を満たす新しい人工股関節の早急な作成が望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2004