発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039473
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人工股関節全置換術(THA)後の骨盤傾斜・腰椎彎曲の経時的変化を検討した.対象は,THA後3ヵ月以上を経過し,支持なしで安定した立位をとれる状態となった後,経時的にX線像で立位評価を行っている28例とした.手術時平均年齢は70.6歳,初回評価時の平均年齢は73.1歳であった.その結果,THA後腰椎が後彎であった症例では,前彎の保たれた症例に比べて短期間に腰椎がさらに後彎し,骨盤の後傾が大きく進行していた.両群間に原疾患の内訳や,手術側の内訳に大差はなく,年齢・術後経過期間にも有意差はなかった.従って,腰椎後彎の存在そのものがさらなる腰椎後彎,骨盤後傾の進行の危険因子と考えられた.THA前から腰椎後彎を有していた患者や,THA後経過中に加齢や腰背筋力低下等の様々な原因で腰椎後彎をきたした患者は,その後短期間に腰椎後彎,骨盤後傾が進行する可能性が高いと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004