発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039462
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64歳女.肘関節の弾発現象と疼痛を主訴とした.1999年,ダンベル体操をした頃から左肘関節痛が出現し,保存的治療は無効で左肘滑膜切除術が施行された.経過良好であったが,2001年誘因なく右肘関節に疼痛が出現して増悪した.右肘関節を屈曲していくと,110度で右肘外側部に弾発現象がみられ,弾発音も聴取できた.左肘にも同様の所見がみられた.関節造影像で,腕橈関節の前方に関節包から半月様の突出がみられ,伸展位で腕橈関節に半月のように介在していた.介在物は肘関節屈曲では腕橈関節の前方へ押し出され,橈骨頭を乗り越え,この時疼痛と弾発が生じていた.関節包を切開したところ,腕橈関節に半月様の弾性硬の滑膜襞が前方から外側後方まで存在し,腕橈関節との適合性は良好であった.滑膜襞を外側から順に切除し,術後症状は消失した.渉猟し得た両側弾発肘の発症年齢は14~30歳と若年齢で,8例と少なく,肘関節に機械的刺激が加わるような職業やスポーツに従事していた
©Nankodo Co., Ltd., 2004