発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039459
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初診時1歳男.脊柱変形を主訴とした.口蓋列,動脈管開存症,慢性呼吸不全,精神運動発達遅滞の既往があった.極低体重で出生し,人工呼吸管理が約5ヵ月続いた.生後3ヵ月,胸部X線で軽度側彎が指摘され,その後急速に進行した.X線ではTh4~Th9のCobb角は88度,胸椎の後彎も98度に達し,代償性に頸椎は激しく前彎していた.呼吸状態,種々の合併疾患を考慮し,Risser-Cotrelキャスト,Milwaukee装具により変形の矯正と悪化の阻止を試みたが,さらに悪化したため,3歳6ヵ月時,牽引を3週間行った後,Th5~Th8までの前方解離とTh2~Th11までの後方固定術を行った.極めて小柄で,1本のロッドとsublaminar wireのみによる固定を余儀なくされたが,結果として良好な矯正と固定が得られ,歩行開始時のTh4~Th9のCobb角は48度,矯正率67%であった.術後8ヵ月目に固定範囲頭側の頸椎部の強い前彎がみられ,今後の変化に対して厳重な経過観察が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2004