発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039458
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57歳男.誤嚥,嗄声を主訴とした.嚥下困難を自覚し,その後,誤嚥が出現し,いびき,気道の閉塞感,発声障害も伴うようになった.咽頭鏡で下咽頭後壁の隆起性病変を認め,食道造影で造影剤の誤嚥が確認された.頸椎単純X線像で,椎体前方に広範な連続性骨化を認め,特にC4/C5に厚さ17mmのくちばし状に突出する骨化巣を認めた.胸椎,腰椎にも椎体前面の連続性骨化巣を認めた.頸椎の画像所見では,椎体前方骨化巣による食道,気管,甲状軟骨の右方偏位を認めた.以上により,強直性脊椎骨増殖症(ASH)に伴う頸椎巨大骨化巣による誤嚥と診断し,骨化巣除去術を施行した.病理組織学的所見では,骨芽細胞や破骨細胞は乏しく,骨髄内脂肪細胞を含む成熟した骨組織であった.術後2週の食道造影で誤嚥の消失が確認された.術後7ヵ月の現在,症状の再燃は認めていない
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