発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039460
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50歳男.腰痛を主訴とした.歩行困難となって近医に入院し,CTで腰椎に多発性骨溶解像を指摘された.軽度の貧血があり,γ-グロブリンは全て低下していた.単純X線所見で,L4の左椎弓根の拡大と辺縁不明瞭がみられた.CTでL2,L4椎体と椎弓根に骨融解像を認めた.骨シンチグラムでは,L2の右椎弓根とL4左椎弓根でcold areaを認めた.血中,濃縮尿中の免疫電気泳動ではM蛋白は検出されなかった.病理組織学的所見で,核の偏在,胞体内に核周囲明庭を有する,大小不同の異型性の強い形質細胞の増殖を認めた.CTガイド下にL4椎体の骨生検を行い,病理組織像で多発性骨髄腫と診断した.しかし,血清,尿中にはM成分が検出されず,非分泌型と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2004