発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004301346
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症例1:42歳男.主訴は右下肢の冷感.レールに右大腿部を挾まれ受傷した.右大腿動脈は約5cmの範囲で血栓を形成していたため,同部を切除し6cmの大伏在静脈にて置換した.術後末梢への血流は良好であり冷感もなく,日常生活動作(ADL)に支障はない.症例2:20歳男.主訴は右足関節の変形.オートバイ2人乗りの事故で受傷した.単純X線像で脛骨遠位の粉砕骨折を認め,コンパートメント症候群と診断し,ただちに下腿の各コンパートメントの減張切開を行い,骨折部は直達牽引とした.受傷後16日目に下腿近位1/3での切断術を行った.症例3:17歳男.主訴は下肢痛.オートバイ運転中に車と衝突し受傷した.脛骨骨幹部骨折と診断され入院,下腿の腫脹が強くなり,コンパートメント症候群と診断し,減張切開術を行ったところ,術中後脛骨動脈の断裂を認めた.その後,多数回手術や治療期間が長期となり,2年2ヵ月後下腿切断にいたった.症例4:43歳男.フォークリフトに全身を挾まれ受傷した.右下肢に冷感があり,膝窩動脈が途絶しており,全身麻酔下で血行再建を行った.受傷後3ヵ月目に足関節骨折変形治癒に対して関節固定術を行い,現在歩行が可能なまでに回復している
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