発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004156771
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
術後経過中に肺転移を疑わせる器質化肺炎を生じた臀部脂肪肉腫の1例を経験した.症例は66歳男,左臀部に腫瘤を自覚するも1年間放置していたが,徐々に増大したため近医を受診した.軟部悪性腫瘍の疑いで受診した.MRIで左側大臀筋内に限局性の腫瘍性病変があり,生検により分化型脂肪肉腫を診断され,腫瘍広範切除術を施行した.術後8ヵ月の胸部単純X線像で左中肺野に孤立性円形陰影がみられ,胸部CTでは周囲血管および気管支の収束像を伴う辺縁不整の円形腫瘤影を呈していたが,術後10ヵ月で消失した.患者の自覚症状はなかったが,胸膜の肥厚が広範囲で,腫瘤陰影の自然消失の所見と合わせ,器質化肺炎であったと診断した.術後2年2ヵ月の現在,腫瘤の局所再発,遠隔転移などの所見など経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2003