発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148682
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症例1:56歳男.右肩甲部痛,右上肢内側の疼痛,痺れを主訴とした.頸椎症の診断にて加療されたが軽快しなかった.症例2:69歳男.右肩痛と右手の痺れを主訴とした.肩関節周囲炎の診断にて加療されたが軽快しなかった.いずれも初診時に触診にて右頸部リンパ節腫大を認めたが,Horner兆候は明らかでなかった.症例1は頸椎単純X線及び肺尖部X線の前後像で右肺尖部に異常陰影がみられ,側面像では多椎間での狭窄がみられた.CTでは右第1肋骨とTh1の融解像がみられた.症例2は椎弓の単純X線像で右肺尖部に異常陰影を認め,側面像では頸椎症変化がみられた.MRIでは浸潤像を認めた.両症例共にPancoast症候群の診断にて呼吸器内科へ転院となり,組織型は扁平上皮癌で,化学療法及び放射線療法を行った.症例1は癌が縮小し経過観察中であるが,症例2は腫瘍の肝臓への転移を認め,その後死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004