発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004128389
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55歳男.プレス機に左示指を挟み,左示指中節骨開放骨折を生じ,デブリドマンを受けたが,創より瘻孔と膿の流出を認めるようになった.初診時,示指近位指節間(PIP),遠位指節間(DIP)関節の可動域は伸展,屈曲とも0°であった.X線では示指中節骨は融解し,末節骨近位にも一部融解像を認めた.膿の培養の結果,Serra.marosecens,Ps.aeruginosaが検出された.開放骨折後の骨髄炎と診断し,掻爬,抗菌薬入りセメントスペーサー挿入,Kirschner銅線と注射針キャップを用いた創外固定を行い骨長を保持した.中節骨は全体に骨髄炎が波及し屈筋腱は消失していた.その後,炎症が沈静化し,傷が治癒した時点で二期的手術を施行した.創外固定はそのままにしてセメントスペーサーを抜去し,腸骨から採取した皮質骨付きの自家骨で充填した.術後3ヵ月で骨癒合し,術後2年3ヵ月の現在,DIP,PIP関節は伸展0°で固定され,中手指節関節は屈曲90°可能で中節骨周囲の萎縮を認めるが骨髄炎の再燃はない
©Nankodo Co., Ltd., 2004