発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048442
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14歳男児.階段から転落し右肩を強打した直後から右胸鎖関節部の痛みが出現したため受診した.初診時,右胸鎖関節部の自発痛・圧痛が著明で,健側に比して鎖骨内側端の隆起が消失し平坦化していた.単純X線・CT所見から右胸鎖関節後方脱臼と診断し,受傷後6時間に全身麻酔下にて徒手整復を試みたが整復不能のため観血的整復術を施行した.術中所見では右鎖骨内側端は後上方に転位し,関節円板は胸骨側に付着しており,鎖骨内側骨端線解離は認めなかった.肩甲骨間に枕を置き,エレバトリウムを用いて胸骨を支点として整復し,2本のkirschner鋼線を鎖骨から胸骨に刺入して固定した.術後4週間でkirschner鋼線を抜去して術後6週まで鎖骨バンドを装着した.術後2ヵ月で右肩関節の可動域制限はなくなり,術後4ヵ月の現在,日常生活,スポーツともに支障は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2003