発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020916
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43歳男.左母趾中足趾節(MTP)関節の腫脹,拘縮を主訴とした.画像所見より,種子骨骨折を伴った陳旧性母趾MTP関節背側脱臼と診断した.全身麻酔下に徒手整復を試みたが整復不能であったため,観血的整復術を試行した.内側進入により疼痛性肉芽の形成や神経血管損傷を起こすことなく,十分な視野で関節内の肉芽を除去し整復操作を行うことができた.本例では,MTP関節脱臼の整復は行ったが,破綻した種子骨複合体の修復は行わなかった.これは,主訴が疼痛ではなく腫脹と可動性の消失であり,脱臼の整復が得られれば主訴は消失すると判断したため,陳旧例のため種子骨複合体の修復は困難であり,修復操作により疼痛性肉芽形成など合併症の発生の可能性があったためである
©Nankodo Co., Ltd., 2003