発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020908
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大腿骨頭すべり症を契機に診断された中枢性思春期早発症例(10歳3ヵ月男)を経験した.思春期早発症は骨成熟促進を呈する疾患で,ホルモンの骨端線への作用機序としては反対である.本例は,ホルモン作用機序上過去の報告とは反対で,骨成熟が促進される未治療の思春期早発症に大腿骨頭すべり症を併発している.また,本例は成長曲線の偏位から7歳頃に思春期早発症を発症し,3年以上経過していたと推測された.骨年齢からみれば13歳6ヵ月で大腿骨頭すべり症を発症し,特発性大腿骨頭すべり症男児の平均発症年齢にほぼ合致した.本例のすべりの要因は思春期早発症により体格,骨年齢ともに好発年齢に達した時点で,もともとの形態異常に急激な体重増加が加わったために生じた可能性が高いと推察された
©Nankodo Co., Ltd., 2003