発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003252311
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
24歳男.左股関節痛を主訴とした.17歳時,汎下垂体機能低下症による下垂体性小人症と診断され,頭蓋咽頭腫摘出術を受けた.術後,副腎皮質ホルモン,抗利尿ホルモンの補充療法を約4年間受けた.また,約1年間成長ホルモンが投与されていた.諸検査により,性腺機能低下症による両側大腿骨頭すべり症と診断し,内固定術を施行した.術後半年後頃から,両股関節痛,疼痛性の跛行が出現し,単純X線像ですべり症の増悪がみられた.術後1年半後の単純X線像で,スクリューの弛みと,さらなるすべり症の進行がみられた.この時点で性ホルモン補充療法を開始した.開始後から血中テストステロン,ALPの上昇がみられ,半年後に股関節痛は消失した.股関節単純X線像では,骨端線の狭小化がみられた.開始1年後で骨端線の閉鎖が確認され,補充療法を終了した.その後,内固定材を抜去したが,すべり症の増強はない
©Nankodo Co., Ltd., 2003