発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002164361
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29歳女のフィリピン人で,腹痛,左下肢痛,腰痛を主訴とした.MRIで硬膜外と左前・後方の傍脊柱筋内にクローバー状に拡がるT1強調画像で等信号,T2強調画像で高信号の軟部病巣を認め,造影MRIではリング様の造影像がみられた.脊髄造影正面像では,硬膜管は左L3神経根を中心に左方より圧排されており,側面像ではL2~L4の広い範囲にわたって後方から圧排されていた.生検を行い,PCR法では陰性であったが,病理組織所見から結核性膿瘍と診断して手術を行った.術中に採取した膿をPCR法で検査したところ結核菌陽性であったため術後に抗結核薬療法を開始した.術直後に腰痛,下肢痛は完全に消失した.術後1ヵ月のMRIで硬膜外の病変が消失し,傍脊柱筋肉の膿瘍も著明に縮小しているのを認めた.その後も良好に経過し,術後3ヵ月目に職場復帰した
©Nankodo Co., Ltd., 2002