発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002152730
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61歳女.59歳時に左人工肘関節置換術を受け,術後4ヵ月ごろよりX線像上,尺骨コンポーネントのステム周囲に僅かなradiolucent zoneが出現した.術後1年にはステムのほぼ全周性に約1mmの間隙を伴う線状硬化像がみられるようになり,機械的弛みが疑われた.術後1年10ヵ月ごろより線状硬化像が消失してステム周囲の骨溶解像を呈するようになり,急速に拡大して骨皮質の菲薄化を伴う嚢腫様となった.術後2年1ヵ月時,とくに誘因なく強い左肘部痛が出現し,X線検査で尺骨コンポーネント周囲の嚢腫中央部に微細な骨折線を認めたため病的骨折と診断した.治療は初めギプス固定を行ったが骨癒合を得られなかったため手術的治療を施行した.手術では,骨質のよい尺骨末梢部にプレートをスクリュー固定し,プレート中枢部と髄内に刺入したKirschner鋼線で肘頭の皮質骨を挾むようにしてワイヤリング固定を行い良好な結果を得た
©Nankodo Co., Ltd., 2002