発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002063303
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52歳男.交通事故により多発外傷を負った.画像所見で大腿骨はAO分類33-C3.2(開放性),下腿骨は41-C2.2であり,Fraser分類type IIcのfroating kneeの状態であった.前腕骨はAO分類21-B1.3の尺骨近位部骨折(開放性)と,22-C1.1の尺骨骨幹部骨折に橈骨頭の脱臼を伴っていた.開放骨折に対して創洗浄,デブリドマンを施行し,大腿骨骨幹部及び脛骨骨幹部で創外固定を施行した.受傷後2週で右前腕骨の骨接合術を行い,骨欠損部に腸骨から4.5×2.0×1.5cmのblock boneを移植した.右大腿骨・下腿骨にIlizarov創外固定を施行し,大腿骨に対してはbone transportを予定したが,創外固定器に対する協力性は悪く,観血的骨接合術を施行した.腸骨移植を経て残った6×3×2cmの骨欠損部に対して4.5×0.9×0.3cmのコラーゲンアパタイトを9個充填した.術後,解剖学的整復は得られ,7ヵ月後の画像所見で骨癒合と判断した.1年2ヵ月経過し,違和感の訴えはあるが独歩練習中である
©Nankodo Co., Ltd., 2001