発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002052420
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24歳男.過去5~6年間に10回以上の脱臼歴があり,右肩痛を自覚した.関節造影CTでHill-Sachs lesion,Bankart lesionを認めた.反復性右肩関節脱臼と診断し,Oudard-岩原変法を行った.左腸骨より採取した5.0×1.5×1.5cmの移植骨を烏口突起の中央に共同腱に埋め込むように移植した.術後特に問題はなかったが,10ヵ月後に就寝中に右肩関節脱臼を来たし,3週間の患肢体幹位固定を施行した.術後16ヵ月には運転中に右肩関節脱臼を生じた.再脱臼時の徒手整復後のX線像,CT像で移植骨は著明に吸収されており,再手術としてBristow変法を行った.術後特に問題はなく,10ヵ月経過し肩関節の可動性に問題はない.本症例の烏口突起は直立した形状であり,移植骨及び共同腱は通常の場合と比べて内前方に位置する為,脱臼防止作用は低下するものと推測した
©Nankodo Co., Ltd., 2001