発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002041893
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31歳男.1年ほど前から誘因なく右肘関節痛が出現し,特別の治療なしに消失するというエピソードが時々みられたが,2ヵ月前より右肘関節痛が持続的となっいた.初診時,右肘関節後方を中心とする腫脹と運動時痛がみられ,関節穿刺で無色透明の粘稠液が少量みられた.MRI所見では関節腔が拡大し,T1強調像で等信号,T2強調像で不均一な高信号を呈する部位が関節腔内に認められた.関節鏡下手術を施行した結果,関節鏡視では関節内には多数の白色遊離体が充満しており,外側皮切して関節包を切開したところ多数の遊離体が流出した.肉眼的に滑膜の増殖は認められず,摘出した遊離体は径3~5mm大を中心に1267個を数えた.病理組織学的所見では遊離体は軟骨細胞成分豊富な軟骨組織の集塊で,滑膜性軟骨腫症と診断した.術後2日間シーネ固定後,自動運動を開始し,術後1年の現在,右肘痛は消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2001