発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001246537
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は58歳男で,主訴は右股関節痛,右環・小指のしびれである.右人工股関節全置換術をうけたが,術後,右環・小指のしびれ感が出現し,保存的治療で軽快しなかった.入院時身長は12 0cm,体重41kg,精神発達遅滞はなく,性成熟は正常であった.単純X線では脊椎,股関節,肘関節,膝関節,手の関節等に多彩な異常を認めた.上腕ターニケットを装着して鏡視下補助肘部管開放術を行った.尺骨神経は肘部管で著明に腫大して偽性神経腫を形成し,硬度も硬く,白色化していた.Osborne靱帯を切離し,更に肘部管を中心に約15cmにわたり除圧を行い,上腕骨内上顆も部分切除した.術後1週間の固定後,リハビリテーションを開始した.現在,環指のしびれ感は消失,小指のしびれ感は改善した.又,筋萎縮も背側骨間筋は改善し,筋力も僅かながら改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2001