発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002033756
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症例1:56歳男.左肘部管症候群に対して尺骨神経の皮下前方移行術を施行後,4年7ヵ月経過時点で,突然左肘痛と小・環指の痺れが出現した.鉤爪指変形,尺骨神経領域の手内筋の筋萎縮を認め,上腕骨内上顆の遠位5cmの尺骨神経にTinel徴候を認め,その部位の超音波・MRI所見からガングリオンの圧迫による尺骨神経麻痺と診断した.症例2:67歳男.21年前に左肘部管症候群に対して尺骨神経筋層下移行術を施行した.突然,左肘の疼痛,小・環指の痺れと伸展障害が出現した.鉤爪指変形,小指球筋および尺骨神経領域の手内筋の著明な筋萎縮を認め,X線上で重度の変形性肘関節症を認めた.上腕骨内上顆の近位部にTinel徴候を認め,その部位の超音波所見では球形の無エコー像が観察された.左肘部管症候群の再発の診断で手術を施行した結果,腕尺関節包より起始したガングリオンが存在し,尺骨神経を圧迫していた.2症例ともガングリオンの摘出により麻痺症状は改善した
©Nankodo Co., Ltd., 2001