発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001153104
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69歳女.股関節部痛を主訴とした.14年前に変形性股関節症の診断でセラミック骨頭を用いた人工股関節置換術を受けていた.X線像ではセラミック骨頭の破損を認め,ステム周囲には幅2mm以上の骨透亮像を全周性に認めた.臼蓋側のカップ周囲にも同様の所見がみられ,人工股関節再置換術を行った.セラミック骨頭は大きく4つに割れ,その他,複数の小さな破片も存在した.大腿骨近位のステム周囲の骨は融解しており,壊死組織の中にはセラミック片,金属粉を認めた.再生関節包部には金属粉の周囲に組織球の集塊を認めた.ステムテーパー部には無数の細かい傷が認められ,骨頭テーパー部には金属摩耗粉と思われる粉末が厚く付着している部分と薄く付着している部分とがあり,ステムと骨頭との接触が不均一であったことが示唆された.カップの弛みは著明であった.大腿骨側,臼蓋側とも自家骨移植を行い,金属骨頭を用いて再置換した
©Nankodo Co., Ltd., 2001