発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017342238
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70歳代男。健診で腹部腫瘤を指摘された。血液検査では血糖値異常と軽度の腎機能障害を認めたが、腫瘍マーカーの上昇はなく、腹部CTでは十二指腸水平脚に接する内部充実性の多結節嚢胞性腫瘍(60mm大)を認めた。MRIではT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号、内部は均一な嚢胞性腫瘍を認め、十二指腸粘膜下腫瘍(GIST疑い)の術前診断で手術を行った。腫瘍は表面平滑、嚢胞性で十二指腸下行脚に接しており、周囲への浸潤所見はなく、腫瘍と十二指腸は剥離可能であったため、後腹膜原発腫瘍の診断で後腹膜腫瘍切除術を行い、周術期に循環動態の変動は認めなかった。病理組織像ではZellballen patternを認め、cytokeratin陰性、chromogranin A、synaptophysin、CD56陽性より、後腹膜原発非機能性傍神経節腫と診断した。術後6ヵ月で再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017