発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016298058
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64歳女性。心窩部痛と嘔吐を主訴に、急性膵炎の疑いで入院となった。血液検査では軽度の肝機能障害、血清アミラーゼ値の上昇を認め、腹部CTでは空腸内腔の多層構造、膵頭部の左方偏位、胆嚢と肝外膵管の拡張が認められた。空腸腸重積と診断のもと緊急開腹術を行ったところ、手術所見では水平脚から空腸起始部にかけ拡張を認め、拡張した腸管内には軟性の腫瘤が触知された。そこで、空腸壁に小切開を加え内腔を観察すると、十二指腸水平脚に重複腸管が確認された。以後、Vater乳頭部の肛門側で十二指腸部分切除を行い、結腸前に十二指腸空腸機能的端々吻合で再建した。その結果、病理組織学的にも重複腸管(十二指腸重複症)と診断された。
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