臨床と研究
乳癌再発診断における腫瘍マーカーNCC-ST-439の有用性に関する検討
市川 伸樹
1
,
渡邊 健一
,
上徳 ひろみ
,
佐藤 雅子
,
高橋 將人
1国立病院機構北海道がんセンター 乳腺外科
キーワード:
Carcinoembryonic Antigen
,
感度と特異度
,
偽陽性反応
,
腫瘍再発
,
Estrogen Receptors
,
乳房腫瘍
,
erbB-2 Receptor
,
Mucin-1
,
ST-439抗原
Keyword:
Breast Neoplasms
,
Carcinoembryonic Antigen
,
False Positive Reactions
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Receptors, Estrogen
,
Sensitivity and Specificity
,
Receptor, ErbB-2
,
Mucin-1
pp.408-412
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343874
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手術乳癌患者で、2005~2006年に再発が確認された71例(27~81歳、中央値54歳)において(二次癌を含む)、NCC-ST-439の感度および発見契機、他腫瘍マーカー上昇の有無、再発形式、ER/HER2発現との関係について検討した。また、2009年10月~2010年9月の乳癌術後経過観察において、1回以上NCC-ST-439が測定された1826例について、2011年10月までの観察期間内での陽性的中率について検討した。NCC-ST-439の感度は35.2%で、CEAとCA15-3に対し大きな差を認めなかった。また、CEAまたはCA15-3いずれかの感度は62.0%とやや高めであったが、NCC-ST-439による感度の上乗せ効果は9.9%であった。NCC-ST-439上昇と再発確認部位の関係については骨、肝転移での上昇が有意に多い結果であった。ER陽性例、HER2陰性例での上昇が多く、新規上昇例の陽性的中率は32.3%とやや高く、NCC-ST-439単独陽性例に限ると、陽性的中率は20.7%であった。
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