発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298177
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53歳女。全身倦怠感、そう痒感を主訴とした。先天性胆道拡張症の観察中に閉塞性黄疸と診断され、腹部CTでは肝内外胆管と胆嚢管の拡張、胆嚢腫大および下部胆管に造影効果を伴う腫瘤陰影を認めた。MR胆管膵管造影では主膵管は副乳頭に開口しSantorini管の下頭枝まで確認できたが、腹側膵管は不明であり、経皮経肝的胆管ドレナージ施行時の胆管造影所見では下部胆管の狭窄像を認めた。膵管非癒合・腹側膵管欠損を伴う下部胆管癌と診断して膵頭十二指腸切除を行い、病理組織学的所見では主乳頭へ連続する腹側膵管は認めず、主膵管(背側膵管)は全て副乳頭へ開口していた。診断は先天性胆道拡張症・戸谷分類Ia型および膵管胆道合流異常・新古味分類IIIb型、膵管癒合不全・Warshaw分類2型、下部胆管癌(高分化型管状腺癌)であり、術後に膵液瘻を併発したが、保存的治療で改善し、術後3年経過現在、再発の徴候はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2014