臨床経験
気胸併用左側臥位胸腔鏡下食道切除術における吸引装置の工夫
佐藤 真輔
1
,
高木 正和
,
渡邉 昌也
,
京田 有介
,
大端 考
,
大場 範行
1静岡県立総合病院 外科
キーワード:
吸引術
,
胸腔鏡法
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
人工気胸法
,
人工気腹
,
治療成績
,
手術時体位
,
側臥位
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Pneumoperitoneum, Artificial
,
Pneumothorax, Artificial
,
Suction
,
Thoracoscopy
,
Treatment Outcome
,
Esophagectomy
pp.895-898
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298168
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食道表在癌に対する気胸併用左側臥位胸腔鏡下食道切除術において、気胸圧を維持したまま繊細に滲出液とミストを吸引できる吸引器の工夫を報告した。吸引装置は高速気腹装置UHI-3もしくはUHI-4の自動排煙装置、市販の吸引管、フットスイッチMH-317を応用し、フットスイッチを踏むことでピンチバルブ(流量調整バルブ)が開き、吸引と二酸化炭素送気を同時に行えるようにした。本法を使用し、胸腔操作中に気胸の状態を良好に維持できた22症例では、必要時にのみ細かく吸引と送気が速やかに行われ、術野で連続吸引しても気胸圧の低下はほとんど認めず、視野は常に一定であった。なお、気胸圧を8mmHgとした場合の平均二酸化炭素使用量は4.34l/分、4mmHgとした場合は2.59l/分であった。本法は気胸併用左側臥位胸腔鏡下食道切除術において特に有用と思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014