超高齢者に対する外科治療の問題点
超高齢者に対する緊急手術の問題点
北川 喜己
1
1名古屋掖済会病院 救命救急センター
キーワード:
ICU
,
気道疾患
,
術後合併症
,
術後管理
,
生活の質
,
せん妄
,
80歳以上高齢者
,
栄養管理
,
緊急手術
,
同意書
,
臨床倫理
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Delirium
,
Intensive Care Units
,
Postoperative Care
,
Postoperative Complications
,
Respiratory Tract Diseases
,
Quality of Life
,
Ethics, Clinical
,
Consent Forms
,
Nutrition Therapy
pp.474-477
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014162864
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超高齢者に対する手術療法のポイントは,疾患を早期に診断し,本人・家族とよく相談して状態のよいうちに手術へ持ち込むことである.ところが,緊急手術の場合は病状が進行してから来院するケースが多く,すでに重篤な状態で,術前の相談もままならない.また,家族や介護者がおらず,またはいても同じく高齢や認知症で病歴を聴取できない場合もあり,術前の併存疾患が多いにもかかわらず,術前の評価や処置が十分できないまま緊急手術となることが多い.術式の選択では予後とquality of life(QOL)のバランスの考慮が重要であり,術後は特に呼吸器合併症とせん妄に注意が必要である.最終的には在宅や施設など退院後を見据えた管理,ケアが大切となる.
©Nankodo Co., Ltd., 2014